2010.04.29 春日局
この作品、大河の全盛期(87年~91年)の作品で視聴率もよかったのですが、他の作品に比べ印象は薄いのです。
多分仕事が忙しい時期でもあり、あまり見てなかったのでしょう。
もしDVDで発売されることがあれば、今度は真面目に見たいものです。

橋田壽賀子さんの脚本で、「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」の出演者が多く出ていますね。
「本能寺の変」や「山崎の戦い」を敗れた明智側から描いており、ユニークな視点でよく知っている出来事を目新しく再構築しているのはサスガです。
この辺の手法は、同じく橋田さん脚本の「おんな太閤記」と同じです。

そうそう「春日局」と「おんな太閤記」の信長役はどちらも藤岡弘さん。
橋田さんの好みでしょうか、こだわりがあるような気がします。

主役の春日局(おふく)は今は亡き大原麗子さん。可愛かったですね。
おふくの父は斉藤利三といって、明智光秀の家臣でした。
そういった敗者の娘から徳川三代将軍の乳母として上りつめた出世物語ですから戦国の世の女版太閤記と言えるでしょう。

この作品で明智光秀を演じていたのが、歌手の五木ひろしさん。
あの細い目で光秀と言われても、最初はちょっと違和感はありましたね。
最後に薀蓄を1つ。
明智光秀の領地は近江の坂本。先祖がこの坂本出身の有名人がいます。
なんと、その人は今年の大河の主役:坂本龍馬なのであります。
しかも坂本家の家紋は光秀と同じ桔梗紋とのこと。偶然ではありませんね。
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昨日の続きで、「春日局」で浅井三姉妹の成人後の配役も振り返ってみましょう。

淀殿:喜多嶋舞⇒大空真弓
お初:宮沢りえ⇒松原智恵子
お江:坂上香織⇒長山藍子

グッと貫禄が出てくる布陣ですね。
大空さんの淀殿はイイ線行ってると思いますし、長山さんの気の強さも
お江の雰囲気があります。
なんてったって、旦那の徳川秀忠が中村雅俊さんですから姉さん女房に
頭が上がらんでしょうね。
そして子供の三代将軍:家光が江口洋介さんですから、時代を感じます。

次に「葵徳川三代」ではどういった配役だったでしょうか。

淀殿:小川真由美
お初:波乃久里子
お江:岩下志麻

これまた、妖艶で更にスケールアップしたものとなっています。
こう見て行くと浅井三姉妹、信長の血を引くいづれも個性的な方々だったのですね。
戦国屈指とも言える大河の主役にふさわしい姉妹と再認識しました。
来年の大河は記念すべき第50作目となりますが、果たしていかに。
先日、浅井(くどいですが「アザイ」と読みます)三姉妹については
少し地味かなと書きました。
「篤姫」の宮崎あおいさんの時もやや不安を感じましたから、
良く知らない若い女優さんの時はいつもそうかもねと思い直しました。

今回のキーパーソンは淀殿(茶々)役の宮沢りえさんではないでしょうか。
りえさん少女の時はキュートで可愛らしかったですが、激やせ後は
雰囲気が変わりました。
でも映画「たそがれ清兵衛」あたりから女優として一皮むけてきました。

実はりえさんは89年「春日局」で浅井三姉妹の次女お初をやってました。
この時のお茶々は喜多嶋舞さんで、お江は坂上香織さんでした。
どうです。このタッグマッチ、どちらが好みでしょうか?
(89年)喜多嶋舞、宮沢りえ、坂上香織
(11年)宮沢りえ、水川あさみ、上野樹里

なんとなく物語の展開が「江〜姫たちの戦国」は「春日局」を意識します。
だって、最後の方では江と春日局の対立がメインテーマですからね。
ちなみに「春日局」での三英傑は以下の布陣でした。
もう亡くなられた方もいて、時代の流れを感じます。
信長・・・藤岡弘
秀吉・・・藤岡琢也
家康・・・丹波哲郎
それにしても、藤岡弘さんはいつまでも元気ですね。
日々肉体を鍛錬しているからでしょう。

少し幕末の話が長くなっていたので、これからは来年の作品と
類似作品である「春日局」や「葵徳川三代」との比較をして行きましょうか。


2010.04.23 2度目の登場
今年の「龍馬伝」は68年の「竜馬がゆく」以来の坂本龍馬が主役です。
過去の大河で2度も主人公になったのは他に3人います。

73年「国盗り物語」と92年「信長」での織田信長。
65年「太閤記」と96年「秀吉」での豊臣秀吉。
83年「徳川家康」と2000年「葵徳川三代」での徳川家康。

やっぱり三英傑の名前が上がりましたねー。
いつも歴史上の人物で龍馬と並び人気を二分するのは信長ですが、
大河での作品では秀吉の方が評価が高いようです。
また、家康を主人公に持ってくると地味な作品になりがちですね。

主役を演じた役者の方はどうでしょうか?
龍馬・・・北大路欣也、福山雅治
信長・・・高橋秀樹、緒形直人
秀吉・・・緒形拳、竹中直人
家康・・・滝田栄、津川雅彦

これも個性では秀吉陣営が精彩を放ってますが、龍馬や信長は勢いを
感じさせる面々です。家康は少し控えめかな。
ということは、お祭り男的などんどん行くタイプの人物が人気
ということでしょうね。例えば、石原裕次郎や長嶋茂雄とか加山雄三なんかかな。
そういえば、こういう楽しいタイプ最近あまり出現していませんね。
淋しいことです。
ここ10年くらいの大河を見ていると、主人公のスケールが小さくなりました。
2000年の「葵徳川三代」の家康や2001年「北条時宗」を最後に
出てくる主人公がグッと小粒になってしまいましたね。

かつての大河は信長・秀吉・家康などの最高権力者が主人公なので、
誰でも知っているエピソードをダイナミックに表現するという演出が
ウケていたと言えるでしょう。

最近の主人公では直江兼続、篤姫、山本勘助、山内一豊などのチマチマとした
エピソードを物語にしているので、どうもメリハリが弱いのです。
一応歴史的大事件には関わっているのですが、主体的な動きをしたかのような
脚本上のアレンジがみえみえで、「本当に兼続がそこまでやったのかよ!」とか
「篤姫にそんな力あったのかしら?」と言いたくなる場面が多々ありました。

そういう面からすると、今回の龍馬は典型的な調整役の役割ですから、
狂言回し的な動きをして幕末の有名人たちの中でパフォーマンスを発揮できる
のではないでしょうか。
勝海舟が登場したので、徐々に薩摩・長州のエライさんたちも出てくることでしょう。
イカルス号事件、いろは丸事件、寺田屋事件などなどイベントも盛り沢山あり、
どう始末するか今後の展開が楽しみであります。
2010.04.18 勝麟太郎
「龍馬伝」武田鉄矢さんの勝麟太郎、けっこうイケてました。
総髪(月代を剃らない)が案外似合っていたので、一瞬三船敏郎風に
見えてました。
さすが年の功、勝の雰囲気をよく出してましたね。

実際はあの頃の勝は40前でしょうから、実年齢は20歳くらいの開きが。
でも40前の役者が演じたら勝の重みは出て来ないでしょうから、
仕方ないでしょうね。

時代の流れから負けた幕府側には人材がいなかったように語られますが、
大久保一翁、川路聖謨、山岡鉄舟など相応にいたと思います。
でも勝った方の側が維新政府で活躍しますから、歴史には名を残します。
幕府側で名を残したトップと言えるのが勝でしょうね。

勝の残した「氷川清話」によると、倒幕側で第1の人物は西郷隆盛や龍馬で、
大久保やその他の人物は二流という評価です。
確かに勝の人物評価眼は一流だと思いますが、自分をあまり高く評価しなかった
新政府の人物に対しては少し辛らつな気もします。

要するに勝としては、大人物だった西郷と互角に渡り合った自分も「大人物」だ
と言いたかったのではないでしょうか。
この場を借りて、私から「勝さん、あんたはエライ!」と伝えておきましょう。
2010.04.17 龍馬の明治
以前、中津文彦作「龍馬の明治」という本を読んだことがある。
龍馬が京都:近江屋で襲われるが、命をとり止め明治の世を生きて行く。
というシュミレーション小説です。

倒幕という形をとらず、なだらかな廃幕という手段で明治となり、
初代内閣総理大臣には西郷隆盛が就任する。
問題山積で2代目は岩倉具視となるが、うまく行かず。
ついには3代目として龍馬が登場し、欧米列強との交渉に奔走する
というストーリーである。

なかなか面白くて、ゆるやかな政権移譲で戊辰戦争を回避し、
行く行くは西南戦争も回避できるという展開であった。
でもそういった内乱を避けていたら、いつかはクーデターを起こす
ような勢力を温存したままでの政権運営になったのではないでしょうか。

明治の初期はやはり大鉈をふるうような政治家が出て、不平分子をどんどん
切り捨てて行く激しさや厳しさが必要であったと思います。
だから、不平士族の弾圧や西南戦争への道も歴史的必然性があったのでしょう。
やっぱり歴史に「IF」はないのでしょうね。

ところで、有能な武将や軍人は有能な政治家とも言えるのではないでしょうか。
多分、軍略と政治は同じ分野の仕事であると思います。
だから、源頼朝、信長、秀吉、家康、西郷、大久保などはどちらの面でも
才能を発揮しました。

話を戻して龍馬が明治の時代に政治家として総理大臣になっていたら、
どうでしょうか?私はうまく行ってなかったと思います。
やはり龍馬は自由人としてどの勢力とも関係し、パイプ役としての役割が
一番適していたと信じています。
2010.04.15 浅井三姉妹
来年の大河「江~姫たちの戦国」に出演する浅井三姉妹役が決まったそうです。
長女の淀殿(茶々)には宮沢りえさん、
次女の初には水川あさみさんということだそうです。
ちょっとパッとしませんねぇ。
主役の江(ごう)も上野樹里さんということで、個人的にはパワー不足の感です。

上野さんと水川さんは「のだめカンタービレ」つながりらしいです。
そうそう思い出しました。水川さん「風林火山」にも出てました。
佐藤隆太さんとからみのあった気位の高い武家の娘役でちょっとだけ出てましたね。

宮沢りえさんもお久しぶりです。子供さんお元気かしら。
「太平記」の藤夜叉以来かなと思ったけれど、「武蔵」では佐々木小次郎の恋人役で
印象がないくらい少しだけ出てました。

古い作品を引き合いに出して申し訳ないが、67年の「三姉妹」の岡田茉莉子、
藤村志保、栗原小巻と比べるとかなり地味な布陣ではありませんか。
もっと旬な女優さんはいなかったのでしょうかね。
「龍馬伝」でお金を使いすぎたので、来年は予算縮小なんてあるのかしら。
いらん世話ですが、あんまりケチると視聴率も落ちまっせ。
2010.04.15 土佐勤皇党
「龍馬伝」の第2部が始まりました。ここでの主役は武市半平太ですね。
今回の大河についてなんとなく感じてきたのは、通しての主役はもちろん龍馬ですが、
第1部は岩崎弥太郎、そして第2部は武市と焦点を当てる人物を変えているようです。

土佐勤皇党を組織して土佐藩をリードし、朝廷の力で尊皇攘夷一色にしようとする
今が武市の絶頂期であります。
しかし、その裏で岡田以蔵を使いテロをあやつるという暗黒の面が、
将来の不安を感じさせるところです。

昔「人斬り」という映画がありました。
高校生の頃、抽選に当たって映画館で封切り作品をタダで見た覚えがあります。
主役の岡田以蔵に勝新太郎、武市半平太には仲代達也だったと思います。
内容はほとんど覚えていませんが、鮮烈に覚えているシーンが1つあります。

土佐の人斬りと言われた岡田以蔵、それに匹敵する薩摩の田中新兵衛。
ある暗殺事件の現場に田中新兵衛の刀が落ちていました。
そのことを追求された新兵衛、一言も言い訳せずにその場で刀を確認し、
即座に己を刺し自刃してしまいます。
自分がやったかやらなかったではなく、己の刀が落ちていたのを恥じたのです。
どどーーっと血しぶきが飛び散り、壮絶な最後でした。

その新兵衛を演じていたのが、なんとあの作家:三島由紀夫。
その後の自衛隊乱入事件があったので、強烈な印象が残っています。

同じ人斬りと言われた二人ですが、田中新兵衛の潔さに比べ岡田以蔵の末路は哀れでした。
その対比を際立たせるために勝新は三島に「ぜひとも」と言って出演依頼をしたそうです。
後編もまずまずでしたが、前編の方が主要人物(真備、仲麻呂、玄)が
生き生きとしていましたね。
やはり若い時代の演技の方が役者さんもテンションが上がるのでしょうか。
ふとニュースで見た新党「たちあがれ日本」の行く末が心配に。
どうも余計なことでした。

後編は吉備真備(きびのまきび)・・・読み方が分からん人もいるそうで
50歳くらいから70歳くらいまでを描いているはずですが、
吉岡さん、いつまでも若々しくていいですね。
主役だからしょうがないですし、老人だと阿倍内親王(石原さとみ)との
ほのかな恋愛感情をかもし出すことが出来ませんよね。

そうそう、見ていてこれはと気付いた点が2点。
藤原仲麻呂(高橋克典)の鎧姿、黒い甲冑に長いマント、これは完全に
織田信長をイメージしてました。
それと出来上がった大仏さんの唇、これは石原さとみさんのやや厚い唇に
似ていると感じたのは私だけでしょうか。

後編はいろいろな出来事を早足でまとめたので、人間ドラマとしては
物足りませんでした。
玄や仲麻呂の死ぬ場面もわりとあっけなく、「えっもう死んだの」という感じ。
3回くらいに分けたら、満足出来たのではと思います。

昨年の「白洲次郎」や今回の作品のようにスポットで作るNHK作品は佳作が多いです。
今後も大河ばかりではなく、この辺もチェックして行きましょう。
今夜「大仏開眼」の後編があります。
1つの時代の出来事なのですが、結構我々が知っている歴史上の有名人が
沢山出てくることに感心しています。

主役の吉備真備、藤原仲麻呂、玄、聖武天皇、光明皇后、孝謙天皇、橘諸兄、行基など
話を広げるなら5回くらいはもちそうですが、今夜で終わりですか。少し残念。

吉備真備は政争に負けて、再び唐に渡るはずです。
その当時の遣唐使は命懸けですから、生きるか死ぬかは五分五分です。
左遷先としては、手を汚さずに始末できる都合のいい方法ですね。
でも真備もしぶとい。
生きて帰って来て、復活を遂げます。しかもあの鑑真を連れ帰って来るのです。
その時にすでに60歳くらいだから、当時としては強靭な生命力ですね。

その後、孝謙天皇の時代に道鏡とともに出世し、70歳くらいで右大臣の位まで
上り詰めます。奈良時代版「無事是名馬」の典型です。
今までの歴史ドラマでは手付かずのこんな人物が残っていたとはいい観点だねぇ。
今夜の後編も大いに楽しみですね。
前回、勝海舟役の武田鉄矢さんについて書きましたが、
83年の「徳川家康」での秀吉役の思い出に付け加えたいことがありました。

実は武田さん81年の「おんな太閤記」の時も秀吉役のオファーを受けてたそうです。
佐久間良子さんが「ねね」で主役だった作品です。
でもこの時の秀吉は西田敏行さんでしたね。

そうですねー、西田さんも演技に不満はありませんが、秀吉のイメージとは
ちょっと違いますね。
やっぱり武田さんの方が秀吉には合っているかも。

「徳川家康」の時の家康は、滝田栄さん。
滝田さんも家康のイメージとはかけ離れていますね。
滝田さんが合っていたのは、95年「八代将軍吉宗」での大岡忠相役です。

吉宗に引き立てられて出世したのはいいのですが、1万石程度の小大名のくせに
10万石程度の大名が集まる溜まりの間で、ずうずうしく飯を食っていたシーンを
面白く覚えています。
他局のドラマ「大岡越前」とは随分違うなあと。

そうそう、この時の将軍吉宗役が西田敏行さん。
「おんな太閤記」の秀吉と前田利家(滝田栄)の再現でした。

こんな具合に続けていると、読んでる人は役と役者がゴチャゴチャになりそう。
今日はこの辺でやめときます。
2010.04.06 勝海舟
「龍馬伝」ついに勝海舟が登場しました。
武田鉄矢さん、ちょっとフケ過ぎかなーとは思いましたが、
「篤姫」の北大路欣也さんよりはマシかなと思い直しました。
そういえば、北大路さんは元祖竜馬でしたね。

武田さんは大河では味のある役が多いです。
「太平記」での楠木正成なんか旧来のイメージを打ち破る田舎のオッサン風で好演でした。
「徳川家康」での太閤秀吉、余命幾ばくも無いところで家康はじめ五大老に向かい
「秀頼のこと、おたのみ申します。くれぐれも秀頼のこと、おたのみ申します。」
と呪文のように繰り返していたのが偲ばれます。

歴代の勝海舟役を見てみましょう。
「竜馬がゆく」加藤大介
「勝海舟」  渡哲也→松方弘樹 渡の病気で途中交代
「翔ぶが如く」林隆三
「徳川慶喜」 坂東八十助
「新選組」  野田秀樹
「篤姫」   北大路欣也
「龍馬伝」  武田鉄矢

どうでしょうか、この中では林隆三さんや坂東八十助さんはイイ線行ってたと思います。
海舟は江戸っ子らしいスパッとした決断力がないといけません。
果たして田舎っぽい武田さんが、どう演じるのでしょうか?
率直に面白かったですね。
主役の吉備真備役の吉岡さん、この人が出てくるとホンワカと
ユーモラスになっていいですね。貴重な役者さんです。

でも、ゆるキャラだけではなく藤原仲麻呂が反乱を起こしそうな状況で乗り込み、
胸に剣を当てられながらも相手を論破しながら「どうだ、どうだ!」と前に進む場面は、
ただの学者ではなく政治家としての手腕をうまくイメージ出来ていました。好演です。

草刈正雄さん、相変わらずここでも貴族の役で出演していました。
最初は「葛城王」と称していたのに途中から「橘諸兄」になったので、
アレー?といういう感じで、2役なのかなと思ってましたが、
後で調べたら、葛城王が橘諸兄になったのですね。
どちらの名前も知っていたのに同一人物だと初めて知りました。

ここら辺の時代(奈良時代)は歴史的事実のみ知っていて、人間のドラマは
ほとんど知らないので、こういう風に映像化してくれると楽しめますね。
以前の「聖徳太子」や「大化の改新」より面白く感じました。
時代が後になるほどいろいろな事跡が残っているので、話が組み立て易いのでしょうか。

少し調べたら、この吉備真備という人は波乱に富んだ人生を送ってます。
出世と左遷を繰り返し、当時としては高齢の80歳まで長生きしています。
何度も挫折しますが、頭がよかったのでしょう。その学識のお蔭で聖武天皇や
孝謙天皇の信任が厚く、その度に復活し職責を全うしています。
学者と政治家のいいとこ取りの稀有な人物だったようです。見直しました。

終生のライバルが藤原仲麻呂(高橋克典)ですね。
この人も波乱に富んだエレベーター人生です。
「恵美押勝」という名前を賜ったくらいですから、ハンサムで笑顔のステキな方
だったのでしょう。
高橋さんは仲麻呂のイメージをうまく出していたと思います。

ともかく、波乱と怒涛の後編が非常に楽しみであります。
2010.04.03 大仏開眼
今夜NHKにて放送されるそうです。
 ⇒ 大仏開眼

「聖徳太子」「大化の改新」に次ぐ古代史物第3弾とのこと。
この辺の時代のものは1年間通してやる大河ではちとシンドイかも。
いろいろ時代考証なども難しいでしょうし、セットや道具も揃えるとお金もね。

大河ドラマで一番古い時代を扱ったのは1976年の「風と雲と虹と」です。
平将門や藤原純友が出てきた承平天慶の乱を中心に描いていました。
ところで、この大河は主題歌もあったと聞いています。
誰が歌っていたと思いますか?
なんと主役の加藤剛さんです。びっくりしたなモウ(古いギャグ)。

さて「大仏開眼」の出来栄えはいかがでしょうかね。
司馬作品のファンからよく聞かれる「翔ぶが如く」失敗論について検証。
「竜馬がゆく」と「坂の上の雲」を書き終えた司馬遼太郎が
その間を埋めるために書いたのが「翔ぶが如く」です。

土佐からの視点が「竜馬がゆく」であり、長州からの視点が「花神」、
そして最後の薩摩からの視点が「翔ぶが如く」なのであります。
まあ長い物語に小説の読者としては根気がいりますね。
文庫本でなんと10冊です。
ゆとり世代の若者では、果たして読む気になるのでしょうか。

薩摩側における倒幕の旗頭は西郷であり、この時点では大久保はナンバー2です。
だから幕末編から始まる大河「翔ぶが如く」は西郷メインでいけました。
ところが明治編が始まると立場が逆転します。
政治家:大久保が俄然生き生きとしてくるのです。
それに反比例するかのように急激に西郷の影が薄くなります。
多分、西郷さんには新政府に対する構想が無かったのでしょうね。

司馬さんも薩摩側の視点で物語を展開させようとしたのですが、
主役の西郷が何を考え、どう行動しようかというスタンスをつかみかね
うまく描ききれなかったのではないでしょうか。

しかし、大久保はスゴイですよね。
明治初年から西南戦争にいたる10年は、まさに大久保の明治でありました。
このように革命の当事者でありながら、その後の政治体制の推進者を兼ねる人物は
そうそういるものではありません。
あのまま暗殺されずに生き残っていたら、ナポレオンみたいつまり皇帝のような
独裁者になっていた気がします。

ということで、「翔ぶが如く」は司馬さんも迷いからくどくどと書き過ぎたのかな。
よく分からない西郷を置いといて大久保主役でコンパクト(文庫5冊くらい)に
まとめれば、明治10年史としてうまく描けたのではないでしょうかねぇ。

それでも両雄対決のシーンや最後での両雄の死は、泣かずには見られませんでした。