「翔ぶが如く」をベースに過去の大河と見比べていますが、
ついに遡ること「竜馬がゆく」との比較。
さすがにここまで来ると覚えている人も少ないから言いたい放題です。

高橋英樹さん、なんと「竜馬がゆく」にも出てたんですよ、武市半平太で。
ほんと、いい役をいつも振られますね。
これがきっかけで時代劇俳優になったみたいです。

もう1人両方に出ていたのが三木のり平さん。
「翔ぶが如く」では江戸の火消しの棟梁:新門辰五郎。
「竜馬がゆく」では架空の人物で、竜馬を慕う「寝待ちの藤兵衛」というスリ役。
いづれも町人役でいい味出してました。

こういった粋な役ができる役者さんがいなくなりましたね。
しいて上げれば、堺正章さん。
そういえば「徳川慶喜」で堺さんが新門辰五郎でしたね。

そうそう、とっておきの話を思い出しました。
「龍馬伝」で岩崎弥太郎が可愛い奥さんをもらいましたよね。
喜勢さんという名前です。
キレイな人だったのでしょうか。
「竜馬がゆく」では、あの大原麗子さんが演じていたのです。
ちなみに岩崎弥太郎は中尾彬さんでした。
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77年の「花神」と90年の「翔ぶが如く」。
13年の開きがありますが、どちらにも出演していたのが次の3人。
いづれも大河の常連さんです。

西田敏行  山県有朋  西郷隆盛
高橋英樹  河井継之助 島津久光
草笛光子  野村望東尼 お由羅の方

左側が「花神」での役ですが、ここでも高橋英樹さん出てましたね。
なかなかおいしい役どころばかりです。

女優最多出演の草笛さん、さすがKEYとなる女性の役での出番が多い。
野村望東尼はあまり馴染みがないかもしれませんが、高杉晋作を支援し
その最後を看取った尼さんです。

司馬遼太郎の「世に棲む日日」のタイトルとなった高杉の辞世の句
「おもしろき こともなき世を おもしろく」とここまで詠んだところで
高杉が息絶え、望東尼が「 棲みなすものは 心なりけり」と下の句を
継いだとありました。

高杉晋作と坂本龍馬、ともに志半ばで亡くなった革命家ですが、
司馬さんの筆致のせいか雰囲気が似てますね。
果たして、こういう人たちが明治の世まで生きながらえていたら、
歴史上の評価はどう変化したのでしょうかしら。
早めに退場した人は得ですよね。
「翔ぶが如く」の西郷さん役は西田敏行さんでしたが、
前にあまり合ってなかったと書いたことがあります。
その時に次の西郷役には渡辺謙さんを推薦しました。

なにげなく「翔ぶが如く」の配役を思い出していたら、思わぬ発見。
西郷さんの最初の妻:俊を演じていたのが南果歩さん。
南果歩さんはなんと渡辺謙さんの実の奥様ではないですか。
これって、暗示しているのでしょうかねぇ。

「翔ぶが如く」と一昨年の「篤姫」、同じ薩摩を扱った作品ですが、
配役を比べてみると面白いところがあります。

島津斉彬  加山雄三  高橋英樹
篤姫     富司純子  宮崎あおい 
幾島     樹木希林  松坂慶子
和宮     鈴木京香  堀北真希
井伊直弼  神山繁    中村梅雀
阿部正弘  若林豪    草刈正雄
西郷隆盛  西田敏行  小澤征悦
大久保利通 鹿賀丈史  原田泰造

左側が「翔ぶが如く」ですが、右側の「篤姫」の方がソフトな人選ですね。
人間ドラマとしては、「翔ぶが如く」の方が骨太の配役で好みではありますが、
篤姫は宮崎あおい、和宮は堀北真希の方がマッチしていたかな。

いくらなんでも富司純子さんの篤姫はないでしょう。
初々しい薩摩のお姫様が大年増だったので、将軍家定さんも腰を抜かすかも。
また、老女幾島はイメージ的には樹木希林さんの方が合ってますよ。
松坂慶子さんの幾島なら、将軍様も篤姫ではなく幾島のところへ渡るような
危惧を感じてしまいます。

あと以前記述したことがありますが、この2つの作品どちらにも出ていたのが
高橋英樹さん。
「翔ぶが如く」では島津久光だったのが、「篤姫」では島津斉彬に昇格。
この18年で斉彬の風格が・・・いつまでも「越後製菓!」はご一考下さいませ。
90年の「翔ぶが如く」を見ていた頃は深く考えていませんでしたが、
原作の方を読んでみても、西郷さんの考え方や行動がよく分からず
全然行動的ではないので、なぜタイトルが「翔ぶ・・・」なのかと。

原作は明治維新後の征韓論のドタバタから始まります。
司馬さんの意図としては薩摩兵児(へこ)たちの行動力つまり
「翔ぶように襲い、翔ぶように去って行く。」というイメージをタイトルにした
と記憶しています。

さて、原作とは違い大河の方は西郷・大久保の若い時の幕末編から始まっています。
だから倒幕までのオリジナル部分が8月あたりまであったと記憶しています。
最初の頃の主役は西郷でも大久保でもありません。
それではダレだったでしょうか、覚えてますか?

そう、我らが若大将:加山雄三さんが演じた島津斉彬ではなかったでしょうか。
鎌倉時代から続く島津家の中で最も英明と言われる殿様です。
幕末の四賢候の一人と呼ばれていますが、他の3人(松平春嶽、伊達宗城、山内容堂)
と比べても一歩抜けてると思います。
ただし、他の3人は明治維新まで生きて殿様の限界を露呈してしまいますが、
斉彬さんは早目にお亡くなりなったので、評価が落ちないという有利さがあります。

ともかく、その斉彬のカリスマ性を引き出すため、よくぞこの方を起用してくだすった
と感じる程、加山さんは適役でありました。
加山さんは長嶋茂雄に通じるような天然のヒーロー性があると思います。

そしてこの斉彬が急死すると、異母弟の島津久光(高橋英樹)が権力を持ちます。
この人は西郷の天敵なのですよ。
西郷が疎まれ冷や飯を食っている間に大久保が力を得てきて、
やっとこさ西郷・大久保の両主役が歴史の表舞台に登場するお膳立てが整います。

いいところですが、この続きは明日にでも。
「花神(かしん)」とは?先ずこれをクリックして見て欲しい。
花神総集編
なんとも優雅なワルツ調のオープニングテーマではないでしょうか?

この作品は司馬遼太郎の「花神」「世に棲む日日」「十一番目の志士」「峠」などの作品を
総合して脚本化した、言わば司馬作品の幕末物を集大成した作品です。
この作品を思い出すと連想するのが、同じ時期に活躍した名競走馬
トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスを思い出します。
と言っても、この時期大河と競馬に熱中した人じゃないと同調できない話ですよね。

「花神」から大村益次郎には歌舞伎役者の中村梅之助。
「世に棲む日日」から吉田松陰には篠田三郎、高杉晋作には中村雅俊。
「十一番目の志士」から天堂晋介には田中健。
「峠」から河合継之助には高橋英樹。
という、まるで「俺たちの旅」のような配役でした。

2004年の「新選組!」も若手俳優の青春群像でしたが、
「花神」の方が青春してる!というほとばしりを感じますね。
「新選組!」作者の三谷幸喜さんも「花神」のファンだったそうです。

そうそう、先日の「龍馬伝」で松下村塾の逸材:久坂玄瑞が全くそれらしく見えないと
書きましたが、この「花神」では志垣太郎さんが演じていました。
明らかに志垣さんの方が、「尊皇攘夷」に命を賭ける青年のイメージですね。

この作品の龍馬役は誰でしたっけ。
えーと、夏八木勲さんだったと思います。そう桂小五郎は米倉斉加年さんでしたね。
お二人とも今ではすっかりお年を召されて、重厚な雰囲気です。

1977年の作品ですから、もう33年も経っているのですね。
とてもそんな時間が経過したとは思えないような鮮明な印象があります。
いくつになっても幕末の青春群像はいい!
なんとかもう1度拝見したい作品の1つですが、総集編しか残されてないそうです。
2010.03.22 倒幕側の視点
龍馬の脱藩が近づいてきて、だんだん面白くなった「龍馬伝」ですが、
制作側の意図は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を否定することから始めたそうです。
そうでしょう。そうしないと新しい龍馬像は作れないでしょうね。

今回の福山:龍馬は普通の人の目線から徐々に目覚めて行くという感じで、
視聴者が龍馬とともに成長して行くように構成されている気がします。
そういう地道な作り方は好感が持てますね。

同じ土佐をベースにした「竜馬がゆく」と比べても、土佐の郷士たちの描写が
とても泥臭く描いてあると思います。
特に武市半平太などは「竜馬がゆく」の高橋英樹さんの方がかなり洗練されていて、
今回の大森南朋さんなどは、本当にこの意識レベルで土佐勤皇党のリーダーかよ。
と疑問を感じるような度量の狭さです。
また、進行役の岩崎弥太郎なども単なる出世亡者になっています。

多分、龍馬の意識レベルを下げたので、相対的に他の志士のレベルも下げざる得なかった
のでしょうか?長州の久坂玄瑞なんかとても松下村塾の秀才とも思えない状態でした。

この「龍馬伝」と「竜馬がゆく」の他に、過去の作品として長州側から描いた「花神」
があります。また、薩摩側からでは「翔ぶが如く」や最近の「篤姫」がありましたね。
土佐は1にも2にも龍馬しかいませんが、長州は幾多の人材が組織的に動いている
印象があります。
そして薩摩は強いリーダーシップを持った人物に率いられた軍団というイメージです。

今宵からは、この辺の作品群をもう1度おさらいして行こうと考えています。
やっとこさ「樅の木は残った」の原作本を読み終わりました。
結構ダラダラと書いてあるので、読み続けるのに手間がかかりました。

面白かったのは、「断章」というタイトルで挿入されている部分。
物語の進展に合わせて、悪役の伊達兵部が家臣やあちこちへ
送り込んでいるスパイと会話しているシーンです。
1人称で兵部の言葉だけで成り立っていますが、こういう表現方法は
山本周五郎さんのオリジナルでしょうか?
いつかマネしてみましょう。

読み終わっても、よう分からんね。原田甲斐。
西郷さんも、よう分からんお人だったけど、それ以上だね。
やっぱり、田村正和より平幹二朗の方が合ってましたね。
「眠狂四郎」風の人よりゴツい感じの人の方がいいようです。
あの時期に演じるのは無理でしょうが、マツケンこと松平健さんあたりが
適役と感じました。
だって大鹿と格闘するような、ある部分猛々しい人ですよ。
格闘家の雰囲気もないといけません。

先日のテレビ朝日系のドラマでは伊達兵部は笹野高史さんでしたが、
笹野さんだと人のいいオッサンという雰囲気があるので、
腹黒さでは大河の佐藤慶さんの方がマッチしてました。
私の視点では、この「樅の木は残った」に無くてはならないのが
伊達兵部で、それに踊らされたのが原田甲斐という構図です。
そして、その上にいるのが巨悪:酒井雅楽頭でしょう。
この3人の中では、やっぱり原田甲斐がキャラで負けてますね。

ここは「新・樅の木は残った」として巨悪と化した原田甲斐を復活させれば、
分かり易い明確なキャラとして断然生きてくると思うのですがねぇ。


海老蔵さんの話題を載せたら、急にアクセス数が増えましたね。
長丁場の大河では不人気ですが、アクがありますからスポットものでは
人気があるのではないでしょうか。異様な存在感ありますよね。

03年の「武蔵MUSASHI」の時も前半はよかったのですが、
中盤以降ダレてしまいました。
NHKスタッフも時代劇で存在感がある俳優さんは少ないですから
大事に育てたいという気持ちもあったでしょうね。
ストーリーが単調すぎて、前半の吉岡一門と後半の巌流島しか山場がなくて
1年間はもたなかったですね。
半年くらいの作品だったら、凝縮されて楽しめたのではないでしょうか。

悪口ばかりではなく、海老蔵さんの「目ヂカラ」は絶対にイケルと思います。
緒形拳、松平健、渡辺謙の3人の「ケンさん」が大河における「三大目ヂカラ」
だと思っていますが、海老蔵さんはそれに匹敵するものを持っていますよ。

この3人の特徴はいづれも強大な悪役ができるということです。
だから海老蔵さんを1年間通して大河で活躍させるなら、絶対に悪役で起用
すべきだと思います。

渡辺謙さんと同様に、もし海老蔵さんがハリウッドに進出したらヒール役として
注目されるのではないでしょうか?
映画「スターウォーズ」のダースベーダーは日本の武将(伊達政宗という説)を
イメージしたもので、最初は三船敏郎にオファーがあったと言います。
世界の三船~渡辺謙~海老蔵というラインが想像できるのです。

海老蔵さんの海外での活躍を期待していまっせ。
さて、昨日の続きで視聴率ワースト2の68年「竜馬がゆく」について。
司馬さんの小説は、踊るような青春物語で長い作品ですが一気に読めます。
テンポと歯切れがよく、のめり込むように読破した記憶があります。

大河の方ですが、高校2年生で「のめり込む」ように見た覚えはありません。
多分テンポ歯切れともよくなかったのではないでしょうか。
今の「龍馬伝」と同じく、主役の竜馬(北大路欣也)さんも印象薄いです。
反面、武市半平太(高橋英樹)や岡田以蔵(前田吟)はよく覚えてます。
乙女姉さん(水谷良重)や勝海舟(加藤大介)なんかも記憶していますから、
それなりに見ていたのでしょう。
でも竜馬については、「うすぼんやり」とした記憶なんです。

竜馬さんもいろいろやったのでしょうが、歴史的には黒子なんですね。
歴史上の人物としては、人気はいつも織田信長と1位を争っていますが、
どうなんでしょう。司馬さんに作られたヒーロー像と言ったらファンに怒られるかな。

そうそう思い出しました。我々が高校2年生の時、熱中していたテレビドラマがありました。
それはあの「巨人の星」でしたね。
あの頃のヒーローは何と言っても「星飛雄馬」。
正直大河ドラマよりもこちらに興味があったので、「竜馬がゆく」のスジは
全くと言っていいほど記憶にありません。
まあ、それくらい人気が無かったということで本日はご勘弁下さい。
歴代の大河で特に評判が悪かった作品について考えてみましょう。
視聴率のワースト3は、
①花の乱
②竜馬がゆく
③武蔵MUSASHI
という順番です。

先ずワースト1位の「花の乱」について。
時代背景が応仁の乱あたりということで、あまりなじみが無いです。
そして物語が難解で暗かった。
最悪なのは主役の三田佳子がチャーミングでないことが一番の原因では。
色気がない、可愛げがない、オバンであると・・・ちょっと言いすぎか。
でも脇役はわりとそろってましたよ。
若手の野村萬斎とか松たか子や悪役の草刈正雄は好演でした。
晩年の萬屋錦之介もがんばってました。
能の様式美を取り入れた市川森一の脚本もよかったのですがねえ。

そうそうワースト3の「武蔵」の主役である市川海老蔵(当時は市川新之助)
も足利義政の少年時代を演じてました。
義政を親父の市川団十郎がやっていたのだから適役でしたけど、
どうもこの海老蔵さんひょっとして大河との相性が悪いのでしょうか?

昨日も民放で松本清張の「霧の旗」とかいうサスペンスドラマにやり手弁護士役で
海老蔵さん主演していましたが、なんともセリフが硬いのです。
いちいち言い回しがカッコつけたように不自然さが残ります。
いつも歌舞伎の見得を切っているようで、何とかならんもんでしょうか。

要するに不人気理由の1番目としては、
脇役陣がいくら頑張っても主役の力量不足や魅力のなさを補えないということかしらね。
続きは明日にします。
2010.03.15 明治の顕官
司馬さんの作品を勧める時、先ずは「竜馬がゆく」を紹介します。
時代の流れとしては次に「翔ぶが如く」、そして最後は「坂の上の雲」
と幕末から明治という時代を追って行くのが順当でしょう。

司馬さんの作品を読んでいると、度々出てくる記述があります。
爵位を得て栄達をした明治の顕官たちが、夜毎にふと後ろめたい気持ちになる時がある。
それは今の自分の政府における立場は、幾多の志士たちの犠牲の上に成り立っている
ということから来ているものであると。

昨年末に放映された「坂の上の雲」においても、加藤剛さん扮するところの伊藤博文が
ある夜、高杉晋作に怒られている夢を見てうなされる場面が出てきました。
これが先ほどの司馬さんの記述を映像化した結果だと思います。
大河ドラマの醍醐味は、こういう風に小説家の言葉を映像によって表現してくれる
ところではないでしょうか。

坂本竜馬や西郷・大久保、さらには高杉晋作や大村益次郎を含めて、
維新の回天を成し遂げた偉人たちはことごとく生を全うすることなく倒れてしまいます。
たまたま最前線に立たなかったため運良く生き残り、明治政府の中枢になる人もいます。
それらの代表が伊藤博文や山県有朋でしょう。
比べてみると、やっぱり生き残り組では大河の主役になれるような人はいませんね。
2010.03.14 西郷隆盛役は
昨日の続きで、西郷隆盛にはどの俳優さんがいいのか?

ところで少しばかり薀蓄を。
西郷さんの本名は隆永(たかなが)と言います。
隆盛はお父さんの名前だったのを明治維新後間違って登録したものです。
一旦登録したものを訂正するのは、西郷さん潔しとは思わなかったのでしょう。
「よかよか」と、その後は隆盛という名前で通したということです。
性格がにじみ出るお話ですよね。

本題に戻って、
戦国時代の例えば信長・秀吉・家康などは大河でいろんな方が演じて
それぞれハマリ役の人がいます。
幕末物でも大久保利通・木戸孝允など、ある適度雰囲気が近い人もいますね。
しかし、西郷さんに関してはなかなかハマリ役の人がいません。

なぜでしょうか?
多分大変難しいキャラで、なかなか現実の世界にいそうもないような
人だからだと思います。
マキャベリストなのか革命家なのか、それとも聖人君子なのか。
暗黒の面とヒューマンな部分が混在して、内面を伺い知ることができません。
大きくて黒い瞳と同じように、心の中は深く底知れぬイメージです。

そろそろ結論を申し上げましょう。
私が指名する最も西郷隆盛役にうって付けの俳優さんは、
大柄で、目ヂカラがあり、言葉が少なく、自己統制ができる人。
それはやっぱり「渡辺謙」さんにやってもらうしかないでしょう。
3回目の主役を張り、名実ともに大河の顔として君臨してもらいたい。

そう2012年大河は渡辺謙主演の「西郷隆盛」で
そろそろ有終の美を飾っていただきたいものです。

大河ドラマの原作者として司馬さんの作品は多いですよね。
ざっと並べても6作品がすぐに思い出されます。

①竜馬がゆく
②国盗り物語
③花神
④翔ぶが如く
⑤徳川慶喜
⑥功名が辻

やはり司馬さんの作品は大河向きであると言えます。
私もほとんどの作品は読んでいますが、まだ読んでいない人に勧める時
1に「竜馬がゆく」で次が「国盗り物語」という順番です。
でも映像化された作品の場合は、1が「翔ぶが如く」で次が「花神」になりますね。

活字の場合は、文章から個々人が想像の中で登場人物をイメージできますが、
大河ドラマのように生身の人間が演ずる場合は、役者さんのキャラが
大きく作用すると思います。

登場人物の生き様を役に抜擢された俳優さんがどう演じるかが大河を見る
醍醐味でもあります。
その点で「翔ぶが如く」での大久保利通役の鹿賀丈史や
「花神」での大村益次郎役の中村梅之助は秀逸であったと思います。

前回書いた郷さんなんかでもハマッている時とそうでない時では
評価は180度違ってくるものです。
だから役者さんの選択はかなり神経を使うと思います。
はっきり言って「翔ぶが如く」の西郷さん:西田敏行はミスキャスト
ではなかったでしょうか。
西田さんは名優であり数多く大河にも出てますが、これだけは買えませんね。

じゃ誰にすればよかったのか?
その辺の話は眠くなったので次回にでもいたしましょう。
2010.03.11 隠れイチョウ
今朝のニュースで鎌倉鶴岡八幡宮の大銀杏の木が倒壊したことを知りました。
今年も初詣に行って、石段の横にあったのを記憶しています。
一説には、鎌倉幕府3代将軍:源実朝を暗殺した公暁(2代将軍:源頼家の子)が
この木に隠れていたという話が残る由緒ある木でとても残念なことです。

この辺の出来事は79年「草燃える」くらいでしか描写されていませんが、
線の細い実朝役を篠田三郎さんが演じていたのを覚えてます。
戦国時代や幕末物と異なり、めったに作品とならない時代のことですから、
完全版DVDでの発売が待たれる逸品です。

このブログで最低のミスキャストとこきおろした、92年「信長」で徳川家康を
演じた郷ひろみさんもこの作品に出てました。
この時は2代将軍:頼家役でしたが、これは文句なしにハマッてました。
北条氏にうとまれ次第に追い詰められる悲劇の将軍。
そして実の母:北条政子(岩下志麻)との葛藤。好演でしたね。

それとやはり悲劇の将軍となった実朝の篠田さんもハマッてました。
篠田さんの困ったような表情は、万年青年のような爽やかさがあります。
もっとよかったのが、77年「花神」での吉田寅次郎(松蔭)ですね。
純粋な理想主義者の松蔭像をうまく引き出していて、
松蔭→高杉晋作→大村益次郎と続く長州藩の青春グラフィティの先導役を
無事勤めていましたよ。
昨日、「太平記」で後藤久美子さんが北畠顕家を演じていた話をしていたら、
顕家の父:北畠親房を近藤正臣さんがやっていたのを思い出しました。
「神皇正統記」を書いた南朝方の策士という役柄でした。

近藤さん、旧くは「国盗り物語」の明智光秀や「黄金の日日」の石田三成など
緻密で正義感あふれる役柄が多かったのに、「太平記」あたりから陰謀家のような
役回りが増えてきました。

今回の「龍馬伝」にも出演されていて、なんと白髪の山内豊信(容堂)です。
近藤さん60代後半のはずですが、物語の時点で容堂は30歳くらいです。
安政の大獄で藩主を隠居させられて、老公などと呼ばれてましたが
幕末ではまだまだ血気盛んな30男です。

見ててこれにはちょっと違和感ありますね。
龍馬さんもこれを見たら、「そりゃないぜよ!」とおっしゃるかも。

容堂は、酒乱気味の人で大政奉還後の幕府や徳川慶喜を擁護する発言でミソをつけ、
急速に政治的力を失いました。
維新後は気難しい気性を紛らすため酒を飲みすぎ、まもなく脳溢血で亡くなりました。
亡くなる直前まで、武市半平太を切腹させたことを悔いていたそうです。
西郷、大久保、木戸に対抗できる土佐の逸材を無くしたと。
これも龍馬さんが聞いたら、「そりゃないぜよ!」とおっしゃるでしょうね。
大河の華としての最終回は、後藤久美子さんこと「ゴクミ」について。
この人こそまさに「国民的美少女」という名称にふさわしい方です。
僅か2作品の出演でしたが、今でも衝撃的な印象を残しています。

87年「独眼竜政宗」における少女時代の愛姫(めごひめ)、可愛いかったなあ。
憂いを秘めた美しい横顔、中学生くらいでこれが出せる少女はなかなかいません。
「この初々しさを永遠に残しておきたい。」とせつに思いましたが、
すぐに成人して桜田淳子さんに愛姫役をバトンタッチしたのが、とても残念でした。

うって変わって91年「太平記」においては若き武将:北畠顕家でした。
弓の名手である神秘的な青年になんと17歳になった「ゴクミ」を抜擢。
NHKの大胆な起用に「その手があったか!」と感服したものでした。
南朝方の伝説的な名将として、幾度も主役の尊氏を追い詰めましたが
最後には神通力を失い20歳の若さで敗死する悲劇の武将役でした。

この「太平記」には同じ歳の宮沢りえさんも尊氏の恋人役で出演しており、
くしくも旬の美少女二人が共演という大きな話題性がありました。
宮沢りえさんも尊氏の子を産んだ後、身を引いて命を落とす薄幸な役でした。
そしてその子が足利直冬となり、将来にわたって尊氏を苦しめることになるのです。
まさに因果応報。親の因果が子に報い。どろどろ状態で最終回へと向かいます。

さて、このシリーズの最後に訂正しておきたいことを発見。
女優さんの最多出演は藤村志保さん、松原智恵子さん、松坂慶子さんの7回と
思っていましたが、8回も出演されている人を見つけました。
その方は
♪窓をあけましょう~♪、そう「光子の窓」の草笛光子さん。
と言っても、我々以上の年代しか「光子の窓」というテレビ番組を知らんかもね。
ともかく長い芸暦の方で、昨年の「天地人」にも出ていて通算8回目だったようです。

今日は元祖お姫様女優の沢口靖子さんについて。
これほど生まれながらの「お姫様」という雰囲気のある方はいないでしょうね。
いつまでもお嬢様だと思っていたのですが、今年で45歳になるそうです。
月日の経つのをつくづくと感じてしまいます。
最近ではお姫様というより「科捜研の女」というクールな雰囲気かな。

87年「独眼竜政宗」五郎八姫(伊達政宗の長女)
91年「太平記」赤橋登子(足利尊氏の正室)
96年「秀吉」おね(秀吉の正室)
04年「新選組!」みつ(沖田総司の姉)

4回しか出ていないのですが、私の印象はそれ以上のものがあります。
沢口さんは大河では真田広之さんとの共演が多いのです。
どちらもサラッとしているイメージから、爽やかカップルなんでしょうね。
「独眼竜政宗」では松平忠輝(家康7男)と妻
「太平記」では尊氏と妻
「秀吉」では夫婦ではないですが、真田さんが石田三成でした。

ここで少しばかり薀蓄を。
「太平記」で沢口さんが演じた赤橋登子の赤橋家について。
鎌倉幕府の執権職にある北条氏の分家ですが、家格は高く
登子の兄さんが幕府最後の16代執権に就いてました。
鎌倉の鶴岡八幡宮に行かれたことがある方は、お気づきかもしれません。
入口の真ん中に通行禁止にしてある朱塗りの太鼓橋があったはずです。
この近くに屋敷があったことから「赤橋」と名乗ったそうです。

「太平記」の悲劇性は、この義理の兄:赤橋守時をも滅ばした尊氏の苦悩が
その後の夫婦仲の問題になって行くのです。

ところで話を元に戻して沢口さんのことですが、
お姫様役の時は非常に輝いていたのに30代以降パッとしません。
「タンスにゴン」などでコミカルな面は発掘されたのですが、
女性としての成熟度でイマイチの感ありです。
少々お堅い印象を受けるのは、恋愛経験が少ないからでしょうかね。
今宵は大河7作品出演の3人目、松坂慶子さんの登場です。

73年「国盗り物語」濃姫
75年「元禄太平記」瑤泉院
79年「草燃える」茜と小夜菊の二役
85年「春の波濤」主役の川上貞奴
97年「毛利元就」杉の方(父親:弘元の側室)
05年「義経」平時子
08年「篤姫」幾島

どうです。なかなか重い(体重ではありません)役が多いでしょう。
「春の波濤」なんかは主役ですよ。夫役の川上音二郎は中村雅俊さんでしたね。
この主演した作品前後で役柄が変わったように感じます。

「春の波濤」の前は娘役というか、チャーミングな女性という感じでした。
後はと言うと、お美しいのは変わらないのですが、ぐぐっーと貫禄がついて・・・。
「元就」を教育したり、清盛亡き後の平家一門を叱咤したり、
はたまた「篤姫」の教育係だったりしています。

まー端的に言えば、(お色気+厳しいおば様)という雰囲気の役柄。
お美しいので、主役へつらく当たっても嫌味にならないキャラとしての起用と見ました。

私の印象で強く残っているのが、大河ではなく01年の正月歴史ドラマで
本木雅弘主演の「聖徳太子」というのをやってました。
ここで推古天皇役に松坂さんをもってきたのです。
ほー、この役にこの女優さんかと感心したものでした。

この作品ではもう1つ重要な役:蘇我馬子に緒形拳さんを起用しました。
さすが緒形さん、モッくん松坂さんをしのぐ存在感を出していました。
でも大河ツウは知ってます。
この演技「毛利元就」の時の尼子経久とおんなじやねと。
松原智恵子さん、今の「龍馬伝」にも出演されていて息が長いですよね。
いつまでも清楚で美しい方です。この方も大河は7回の出演になります。

73年「国盗り物語」お市
75年「元禄太平記」町子(柳沢吉保の側室)
81年「おんな太閤記」京極殿(秀吉の側室)
89年「春日局」お初(淀殿の妹)
95年「八代将軍吉宗」鷹司信子(5代将軍:綱吉の正室)
02年「利家とまつ」前田家家臣の妻
10年「龍馬伝」坂本伊與(龍馬の義理の母)

この方もやはり、お市の方や浅井三姉妹をやってますね。
夏目雅子さんもそうでしたが、この辺の役をするのが正統派美人の系譜です。
私の記憶では「おんな太閤記」の京極龍子がよかったです。
秀吉の側室の一人でしたが、美しさは際立っていました。
この時の淀殿は池上季実子さんでした。

ところで秀吉の側室にはどんな方がいたか。
淀殿・・・言わずと知れた浅井三姉妹の長女:茶々
松の丸殿・・・美人の誉れ高い、近江の京極高次の姉:龍子。
加賀殿・・・前田利家の三女:まあ
三の丸殿・・・織田信長の六女

有名なのはこれくらいで、その他10人くらいいたそうです。
でも一番美人だったのが、この京極殿だったという噂です。
大体どの戦国作品でも美人女優の定番という感じですね。

本能寺の変の後で、京極氏は明智方についたので本来は秀吉に
攻め滅ぼされる運命だったのをこの龍子が秀吉の側室となることで、
弟:高次は助命されました。
京極氏が関ヶ原で東軍につき、明治まで大名として存続できたのは
この龍子が秀吉に気に入られたからでもあります。
多分美しいだけではなく、機転も利いた女性だったと推察しますね。
今日からは私の思い入れの強い女優さんのお話などを。
第1回は藤村志保さん。あこがれのお姉さんという印象ですかね。

最初にお目にかかったのは65年「太閤記」の「ねね」役です。
この秀吉の正室の名前ですが、この作品や「おんな太閤記」では
「ねね」と呼ばれてました。
後年の96年「秀吉」では「おね」になっていました。
どちらが本当なんでしょうかね。
漢字では「寧子」と書いてありますが、読みはどっちか分からないらしいです。

それはともかく藤村志保さん、芯のしっかりした和風美人ですね。
「ねね」以外でも結構大河の常連さんなのですよ。
67年「三姉妹」おるい (次女)
69年「天と地と」藤紫
78年「黄金の日日」淀君
91年「太平記」足利清子(足利尊氏の母)
95年「八代将軍吉宗」照子 (吉宗の父: 徳川光貞の正室)
07年「風林火山」寿桂尼(今川義元の母)

おやおや「黄金の日日」では「太閤記」の秀吉(緒形拳)と再び共演して今度は淀君。
そして「太平記」でも夫婦役で足利尊氏の両親でしたね。
大河で3回も夫婦役を演じたのは、この方たちくらいでしょう。

それと大河に出ている女優さんの中で、出演7回は最多ではないでしょうか。
実はもう2人7回出演の方がいらっしゃるのですが、いづれも私好み。
きっとNHKも分かってくれているのかしら・・・。
その方々については次回以降にご紹介しましょう。