原田芳雄さんが亡くなってしまいました。71歳だそうです。惜しいですね。
長髪にサングラスが似合うワイルドな雰囲気の役者さんでした。
いかにも70年代アウトロー的で、現代劇では殺し屋、時代劇では股旅物なんかが似合いそう。

70年代にヒットした「木枯らし紋次郎」という股旅物がありました。
主演の中村敦夫さんも雰囲気出てましたが、原田さんも渡世人のライバルで出演していたのを記憶してます。
二人とも俳優座の仲間だったのですね。

俳優座といえば、松田優作さんとの因縁話が有名です。
87年「独眼竜政宗」で政宗の前にライバルとして立ちはだかる東北の雄:最上義光(よしあき)役に最初は松田さんにオファーがあったそうです。
しかし、最終的には実現せず先輩である原田さんがその役を受けることになります。
政宗の母:義姫(岩下志麻さん)の兄の役ですから政宗(渡辺謙さん)とは年齢差が近い松田さんでしたら、やや軽くなっていたかも。
結果論ですが、私は原田さんでよかったと思います。

権謀術数を使い、執拗に政宗を追い詰める役ですから年齢・陰湿さ・執念深さいづれをとっても原田さんのハマリ役でした。
そんな義光でしたが、愛娘の駒姫(とても可愛かった坂上香織さん)が関白秀次事件に巻き込まれ斬殺されることになり嘆き悲しみます。
血も涙もないような非道の性格のように描かれていた義光が、人の親として「お駒~!」と泣く姿は胸に迫るものがありました。
また、57万石の大大名となりながらも「器量では政宗に及ばなかった」と述懐するなど物語の前半であくどく描き過ぎたのを後半でフォローしている面もありましたね。

この「独眼竜政宗」に遡ること3年。
実はもう1つ松田優作さんが断った役を原田さんが受けていたのですね。
それは「西部警察Part3」の最終回で大門部長刑事(渡哲也さん)を狙撃する犯人役です。
日本テレビの「大都会」という刑事物で渡さんと共演した優作さん。
「とても渡さんを殺す役なんてできない」と言って、断ったそうです。
この時から原田さんは優作さんの尻拭いをする役目になったのでしょうか。
なんとなく原田さんの懐の深さを感じさせる話ですね。

最後に私が始めて原田芳雄という俳優を知ったのは70年「春の坂道」だと思います。
あのワイルドさは柳生十兵衛にピッタリではなかったでしょうか。
何となく当時流行っていたマカロニウエスタンのガンマン風だったような。
今となっては確認したくても、その映像は何処にも残っていないそうです。

柳生十兵衛と言えば「春の坂道」の原田芳雄と「魔界転生」の千葉真一を比較できる人とできれば語り合いたいものです。
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連休中、小田原を歩いている時に妻からメールが入りました。
「アタック25に児玉清が出てないけど、亡くなったのかしら?」
その時点では、入院して番組収録に出てないのを知っていたので、
「まだ亡くなってはいないけど、長くないのかもしれない。」と返事していました。

クイズ番組が好きなもので、日曜日には「アタック25」をよく見てましたが、
児玉さんが出なくなってからは見る意欲が無くなっていました。
児玉さんあっての番組であり、児玉さん自身も番組に出れないということは余程のことと思ってました。
あれほどの長寿番組を病気で降りるのは、さぞや無念だったことでしょう。
ご冥福をお祈りします。


大河ドラマにおける児玉清さんの思い出としては、先ずは88年「武田信玄」の飯富虎昌(おぶとらまさ)役が思い出されます。
武田家の重臣であり、信玄の嫡男である義信(堤真一さん)の傅役でもありました。
義信を盛り立てる段階で、信玄の正室である三条夫人(紺野美沙子さん)の侍女である八重(小川真由美さん)とねんごろになります。

この八重というのがまた三条夫人や義信を思うあまり、信玄やその愛人である湖衣姫(南野陽子)、その子:勝頼に対しても陰謀をめぐらせます。
大河史上ナンバーワンの悪女でもありますが、小川さんでもあり妖艶な魅力もありました。

この悪女にたぶらかされたこともあり、ついに飯富虎昌は信玄に反旗を翻した後切腹して果てます。
物語の中では、わざと弟に信玄暗殺の情報を流し討ち捕らえられるように仕向け、本当は忠臣だったことにしています。
そういう誠実なキャラにした方が児玉さんの役柄らしいということでしょうかね。
ちなみに「武田の赤備え」として有名な武田軍団の赤い装備は、彼の部隊が始めたそうですよ。


もう1つ思い出に残っているのは、80年「獅子の時代」の瑞穂屋卯三郎という架空の商人です。
この「獅子の時代」というドラマは大河の中でも変わっていて、幕末から明治初期にかけての物語ですが、
主役はいづれも架空の薩摩藩士(加藤剛さん)と会津藩士(菅原文太さん)です。
こういう成功者の側からでないドラマを1年間視聴者を飽きさせずに見せる脚本の腕を今の脚本家も見習ってほしいものです。
ちなみに脚本はあの山田太一さんでありました。

この加藤さんや菅原さんを陰になり日向になり支えるのが児玉さんの役回りです。
商人として財を成し成功するのですが、ここでも誠実な人柄の役でしたね。
思慮深く、実直な中にも胆の座った部分をもっているような役がとてもマッチしていました。

惜しい人物を亡くしました。合掌!
2010.10.03 中井貴一
レンタルDVDで観ている「武田信玄」もすでに終盤になりました。
そろそろ最後の死を賭した京への遠征が始まります。
主役の中井貴一さんもすっかり晩年の信玄風が板につき、セリフに重みがあります。
1年で役者さんが大きく成長しているのが観ていてよく分かります。

87年「独眼竜政宗」から88年「武田信玄」、89年「春日局」、90年「翔ぶが如く」、91年「太平記」が
大河の黄金時代であったと、以前記述したことがあります。
この中で、政宗役の渡辺謙さん、信玄役の中井貴一さん、尊氏役の真田広之さんはいづれも現在50歳前後。
大河の主役を射止めた当時は、全員30歳前後だったのではないでしょうか。
このくらいの年齢で大河の主役に抜擢されるのが、役者として大きな飛躍の可能な時期だと言えます。

渡辺謙さんは、その後93年の「炎立つ」でも主役となり、2001年「北条時宗」では時宗の父:時頼を演じ貫禄を感じさせました。

真田広之さんの方は、大河の主役という重々しさよりも弱気な人物の方がマッチするようで、
その後は96年「秀吉」の石田三成役しか登場がなく、あまり大河の役に恵まれていませんね。

中井貴一さんもその後は信玄ほどの迫力を感じさせる役はありませんが、2005年「義経」では源氏の御曹司らしいサラッとした頼朝の雰囲気が出てました。
どうでしょうか。もう1度戦国物で晩年の信玄役をやってもらったら結構盛り上がると思いますよ。
「武田信玄」の時は法名を名乗りながら剃髪姿ではなかったので、その際にはぜひ剃髪の信玄でお願いします。


お龍の話を書いていて思い出しました。「竜馬がゆく」でのお龍役の浅丘ルリ子さん。
こちらよりも「花神」でのおイネ(シーボルトの娘)の方がハマリ役でしたね。
大村益次郎の弟子となり、お互いに心を引かれ益次郎の最後を看取るという役回りでした。
何となく寅さん(男はつらいよ)の面倒を見るリリーと相通じるものを感じたのは私だけでしょうか。

この「花神」で大村益次郎を演じていたのが中村梅之助さん。
あまり沢山の作品には出てませんが、存在感のある役者ですね。
毎週レンタルして見ている「真田太平記」にも出ていますが、徳川家康役です。
容貌といい、とぼけた雰囲気といい、押し出しも強く、いい味出しています。

まだ出てきませんが、実の長男である中村梅雀さんも徳川秀忠役で出演しているはずです。
もうすぐ関ヶ原の合戦が始まるところなので、中仙道を進む途中で真田を攻めたために
関ヶ原に遅参するという大失態の場面が待っているのです。

この梅雀さんも父親譲りのなかなか味のある役者さんで、茫洋とした中にキリッとしたものを感じます。
優れた親のダメ息子というイメージの役が多いけど、果たして親父のように主役を張ることができるでしょうか。
大河では下記のように存在感のある役柄が続いてます。

95年「八代将軍吉宗」~徳川家重(九代将軍)
97年「毛利元就」~志道広良(元就の腹心)
00年「葵徳川三代」~徳川光圀(解説役)
06年「功名が辻」~徳川秀忠
08年「篤姫」~井伊直弼
佐藤慶さん(81歳)の訃報を知りました。
大河ドラマの常連さんで、貴重な脇役&悪役の方でした。
つい最近まで出演されていた記憶があるので、もっと若い方だと思ってました。

大河には沢山出ていますが、特に印象に残っている作品は
65年「太閤記」~明智光秀・・・これが当たり役
70年「樅ノ木は残った」~伊達兵部・・・悪いやっちゃ
83年「徳川家康」~武田信玄・・・策略家としてはこんなタイプ
93年「炎立つ」~源頼義・・・とても傲慢そう
95年「八代将軍吉宗」~新井白石・・・堅物で融通が利かない
00年「葵徳川三代」~増田長盛・・・優柔不断で流れを読めない

若い頃は典型的な悪役ですね。何を考えているか分からないような不気味さがありました。
「太閤記」では緒形拳(秀吉)と高橋幸治(信長)とともに出世作となりました。
「徳川家康」での武田信玄の晩年なんかも実像に近いイメージでしたね。

90年代以降は悪役よりも頑固な堅物といった役柄が多くなりました。
演じる機会はありませんでしたが、「吉良上野介」なんかも合っていたのではないでしょうか。

存在感のある俳優さんで、亡くなられてとても残念です。ご冥福をお祈りします。