ついに終わりましたね。分かってはいましたが、はかない最後でした。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」の最後もストンという感じで、突然終わりました。
文庫本で8冊くらいの長編でしたが、長々と読んできたのに「エッもう終わっちゃたの」という終わり方。
「龍馬伝」も同じくあっさりとした最後でしたね。

やはり、この「龍馬伝」は岩崎弥太郎の「龍馬」というのがテーマでした。
本当の主役は弥太郎で、龍馬は弥太郎の五感を通しての人物であり、2番手の主役という印象。
龍馬役の福山雅治さんは、精一杯うまく演じきったと思います。好演したのではないでしょうか。
弥太郎役の香川照之さん、武市半平太役の大森南朋さんの両名はさすがに芸達者らしい演技でした。
この主役級3人の次に私がぜひ押しておきたいのは、高杉晋作役の伊勢谷友介さん。
抜群の存在感でした。彼を主役にもう1本続編が行けるくらいの勢いを感じましたね。

以上の人たちはうまく描けていたのに、その他の人たちはNHKらしい豪華なキャストを投入したのに消化不良のような物足りなさを感じました。
どうしてでしょうか?
土佐の主役級を引き上げるために幕府や薩摩・長州の連中をデフォルメしすぎたのかも。
一橋慶喜って、あんなに下品かしら。
西郷や大久保は、あんなに矮小な人物でしようかね。
個人的な見解では、仮に龍馬がいなくても明治維新は来たでしょうが、
西郷や大久保、はたまた木戸や高杉がいなかったら明治維新はかなり遅れた気がします。

まあともあれ、主役は龍馬や弥太郎ですから話の展開はそれでいいとしても細部に凝り過ぎて全体の勢いを殺したような印象はありました。
いろいろ個性的な役者に個性的な配役をしたのにストーリーが活かしきれなかったということです。
だから、毎週日曜日の夜8時にチャンネルを合わす「ワクワク感」が無かったなー。
直近では「篤姫」の方がまだありました。
「葵徳川三代」はもっとありました。
「翔ぶが如く」や「太平記」はもっともっとありました。
具体的に言えば、「討ち入り」とか「本能寺の変」とかのような期待感です。
こういう「ワクワク感」が週1の大河ドラマには絶対必要なんですよね。

20年後に「龍馬伝」のDVDを観るか?と問われても、答えはNOのような気がします。
スポンサーサイト
「龍馬伝」も最終章に入って行き、いよいよ京都:近江屋でのその時がカウントダウンですね。
龍馬暗殺の実行犯は、いろいろな人がいろいろな見解で考察しており、それはそれで謎として楽しめます。
最近ではほぼ佐々木只三郎率いる「京都見廻組」が実行犯という説が有力となっています。
「龍馬伝」もその線で最終回を迎えるという話ですが、ミソはそれを影で糸引くのは誰かということでしょう。

最終第4部での新規登場人物の中で中尾彬さんや及川光博さんという名前を見つけました。
中尾さんは昨年「天地人」の毛利輝元に続いての登板。
及川さんは久しぶりの大河出演ですね。
2002年「利家とまつ」の前田慶次郎役以来でしょうか。

及川さんと言えば、唐沢寿明さんとの共演が印象深いと思います。
「利家とまつ」の利家は唐沢さんでした。
またフジTV系の「白い巨塔」では主人公の財前教授が唐沢さんで、
財前が起こした医療事故裁判の弁護士役で及川さんが出ていました。

そこで話を戻して龍馬暗殺の黒幕ですが、新登場の大久保利通役に及川さんを起用したことに「こだわり」を感じます。
ズバリ、その黒幕は大久保その人ではないでしょうか?

また次点として、「いろは丸事件」(龍馬の海援隊いろは丸が紀州藩の大型船とぶつかって沈没した事件)
がらみで龍馬を恨む役回りの紀州藩の奉行として中尾さんを起用するのも怪しい気がします。
中尾さんの顔って、典型的な敵役ですよね。
2005年「義経」で義経の行動を逐一頼朝へ報告し、不信感を持たせた梶原景時役はまさにうってつけでした。

そういうことを考えながら、黒幕としての大穴は最初から嫌われ役として登場している土佐藩の守旧勢力。
山内容堂~後藤象二郎という「大政奉還」ラインも疑わしくなります。

「龍馬伝」最後の醍醐味は、この黒幕探しという点かもしれません。
今夜の「龍馬伝」はお龍を連れ立っての霧島への旅行のようですね。
この翌年の11月には龍馬は暗殺されるわけですから、先を知っている者には何とも物悲しい気持ちがします。

寺田屋で襲撃を受けたのが1月で、この薩摩への旅行は3月から5月にかけてです。
二人にとってはかけがえの無い3ヶ月間だったことでしょう。
楽しそうな新婚旅行ですが、見る側にとっては痛々しい思いですね。

霧島の高千穂に登った時のことを書いた図解入りの手紙(乙女姉さん宛)が残されています。
山頂にはニニギノミコトが突き刺したという「天の逆鉾」があり、
その剣に描かれている絵がおかしくて二人で大笑いしたと、
また「馬の背越え」では、あまり危なっかしいので龍馬はお龍の手を引いてやりましたと
ほほえましい出来事が書かれています。

ところで、お龍役の真木よう子さん。
いつか必ずパーッと花が開くと思って観ていましたが、なかなか開かんようですね。
いつも不機嫌そうなのはキャラなのでしょうか。
私は監督の指示で、不遇の時を不機嫌な表情で演じていて龍馬と結婚したらグッと色っぽくなると思ってました。
だから今夜花開かんかったら、最終回まで開くことはないような気がしてきました。
果たしてどうでしょうか。

この新婚旅行が終わると、龍馬の仕事も大詰めに入ります。今からが忙しいですよ。
もう寿命は1年ちょっとしかないんですよね。
お龍さんにもいい思い出になったことでしょう。
最後のクライマックス前の幸せで平穏な時間。史実とは何ともドラマティックなんですね。
2010.07.17 高杉晋作登場
今朝の朝日新聞に「龍馬伝」の大友ディレクターが特集されていました。
この方、「ハゲタカ」や「白洲次郎」も手がけた人だったのですね。
武市半平太に大森南朋さんや明日登場の高杉晋作に伊勢谷友介さんを起用したわけが解りました。
それと、映像の雰囲気が昨年観た「白洲次郎」に似ていると感じます。

ところで、書きながら気付いたことが1点。
ソフトバンクのCMに出てくる白い犬の名前は「白戸次郎」でした。
これ絶対に「白洲次郎」からのパクリですよね。
選挙に当選した後の展開は果たしてどうなるのでしょうか?

本題に戻って、高杉晋作と坂本龍馬は同じ革命家としてのベクトルが合ってますよね。
多分、長崎で鉢合わせして最初はこのヤローと思いながらも意気投合するのではないのかな。
会った瞬間にお互いの波長が合うのが、側で見ているようにイメージできます。

龍馬と比べると晋作の方が鋭敏なカミソリのようなキレを感じます。
しかし、スピードでは遅れをとりながらも龍馬の情熱やバイタリティが徐々に発揮され
明治維新の原動力となるのが、この時代の面白さでありましょう。

幕末の時代が興味深いのは、こういった多士済々の人物が登場して、
それらの人々が十分に自分の役割を果たして、次の流れにバトンタッチして行くところです。
歴史の表舞台に登場するしないにかかわらず、自分の役目を果たす生き方は好きですね。
2010.06.27 西郷吉之助
「龍馬伝」の西郷さんは高橋克実さんでしたね。
最近の西郷さんは「篤姫」の小澤征悦さんといい、やっと普通の人になりました。
以前は眉を太くメークし、肥満気味の重々しい役者がやるのが通例でした。
西田敏行さんあたりがいい例です。

他の役はいろいろな人がやるのに、どうして西郷隆盛だけは固定的なキャラなのか不自然な気持ちでした。
多分制作側の西郷に対する理解が不十分で、従来のイメージを踏襲したものになっていたのでしょう。
要するにドラマだから、どうゆう人物像にするかは作る側が自由にすればいいのです。
他の歴史上の人物は、いろいろな観点から作られていたのに、なぜ西郷さんだけは古いまま取り残されていたのでしょうか?

それは、日本の歴史上や現代の身近にもあまり存在しないタイプだったからではないでしょうか。
だから脚本家もどういった人物像にすればいいか迷い、従来のままでお茶を濁していたと思います。

私自身も西郷という人物がよく分かっていません。
司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読んでも、うまく描ききっているとは思えず不満が残ります。
まだ読んでいない海音寺潮五郎の作品で、その辺が少しでも理解できたらいいなと考えていますが、
うーん、西郷どんは深い!